京の不動産屋さん徒然日記

京都の不動産屋さんで働いています。そこで感じた事や思うこと等、タブー無しで書いていきます。

京都ルール 2017年2月12日のブログです

京都で営業すればどの地域に行ってもできる」真実かどうかはわかりかねますが、京都で働く営業マンの間ではまことしやかに語られる言葉であります。事実、大阪で営業経験のある私も、京都人について、つくづく特異な人達だーと、日々思いを新たにしているのであります。大阪で営業していた時は、ある意味「楽」でした。もちろん普通の営業の苦労はありましたが、妙な心理戦を戦う必要が無かったからです。

★例えば・・・大阪人の場合

「おっ、これええやん。これなんぼや?えー?高いわー。もっと安してぇな!え?こんだけしか負からんの?しゃあないなぁー。かなんなぁ。よっしゃ!買うたろ。その代りこれ付けてぇや。ええやん、頼むわ~。え?ええの?いや、嬉しいわ。おおきにな!ほなまた!」

★例えば・・・京都人の場合

「いやぁ、ふーん。こんなんあるねんなぁ。ふーん」

といいながら商品の周りを周回する。気づいた店員が「いかがですか?」と声をかける。

「せやけどー。うーん。・・・・・・まぁ、ええわ」

と、去りゆく京都人。店員は買う気のない客とみて、他の客に声をかけました。

しかしこの店員、実は大きな間違いを犯しているのです。この時点で京都人は既に気分を害しています。おそらくは(なんや、あの店員。ほんま感じ悪いわ)などと心の中で悪態をついていることでしょう。

この間違いがわかれば京都人を理解する営業であります。

つまりその京都人は確実にその商品に興味を持っているのですが、自ら店員に声をかけることが嫌なのです。しかも折角、店員が気づいて声をかけたにもかかわらず「いかがですか?」などと、たわけた事を言うから嫌われるのです。この場合、店員に明らかな非があります。それが京都ルールです。京都人に「いかがですか?」なんて尋ねたところで「いいですね」「欲しいです」などという返事が返ってくるとでも思ったのでしょうか。これでは店員が罵倒されても仕方がありません。

この場合の正解はこうです。

「いやぁ、ふーん。こんなんあるねんなぁ。ふーん」(周回中)

「よぉ似合てはりますわ。」

「嫌やわ、そんなことないわ」

「嘘とちゃいます。ものすご、お顔に映えて。いやぁ、ええわぁ」

「・・・・・・」

「ほな、これもお付けしますわ。いやぁ、ほんま、よう似合てはるから、お値段もこれでいいですわ」

嫌そうな顔で財布を出してしぶしぶ購入。

・・・これです。嫌そうな顔でも京都人は内心、良い買い物ができたと喜んでいるのです。しかも口にできなかった値交渉も店員が先読みして、負けてくれた上におまけも貰えた。これでこそ京都人。京都人 オブ 京都人です。大阪人と同じ金額で買い物しても、これだけの差があるのです。そりゃ、店員の肩も凝るわけよね。

まぁしかし、そんなこんなで20年以上。疲れるし未だ失敗や読み間違いも多いけれど、この遣り取りが楽しくて、毎日、元大阪人は面白がりながら営業やってます。